部員の誕生日に炊飯器を送るメソッド
岩手大学では10月15日・16日に大学祭が行われます。岩手大学写真部では、からあげとポストカードを販売する予定です。
ぜひご友人をお誘いあわせの上、お越しくださいませ。
岩手大学写真部には、多様な部員が存在しています。留学生も在籍してくれています。そんな部員の中には、一人暮らしゆえ、炊飯器を腐海にしてしまう、魔法使い的な部員も存在します。
今回の記事は、2年以上、自分の家でコメを炊いていない、悲しい部員に炊飯器を送るというストーリーです。
1.出資者を募る
どんなに安い炊飯器といえども、一人で買うには高いお買い物。出資者を募るところからスタートです。現役部員はもちろん、OBたちにも声をかけていきます。
他大学の大学院に進学した先輩にも声をかけ、出資していただくことになりました。
あれ、先輩、盛岡まで来てくださったんですね。
2.遠方から来てくれた先輩とメシを食う
他大学から誕生日を祝うために来てくださるなんて、本当にありがとうございます。とりあえず盛岡名物でも食べましょう。
あっ、ここはおごりではないんですね。そんな、僕にもお金はないんで、おごれないです。申し訳ない。
3.目録を書く
せっかく渡すのですから、より景品っぽく、より大イベントっぽく渡すことが重要でしょう。という訳で立派な祝儀袋と筆ペンを買い込み、目録を書き上げていきます。
いかにも筆ペンで文字を書きなれていない感が溢れていますが、これはご愛敬ということで。
とんでもないミスをしているとは、先輩も僕も気がついていないのでした。
4.炊飯器を買う
おやおや、ネットで下見していた価格とは大違いのようですねえ。これでは大幅に予算オーバーです。どうしましょう。
先輩、予算オーバーでもいいです?ああ、だめ。おっしゃる通りです。
という訳で家電量販店をいくつかまわり、お買い物を。
せっかくですからラッピングもしていただきましょう。なんだか箱が大きいですが、3合炊きではなく、5.5合炊きの炊飯器のほうが予算にマッチしていたからです。使う人の都合<予算というところにこの世の非情を感じますね。
5.コメを買う
炊飯器があるだけでは腹が満たされません。そうです。コメを買わなければなりません。コメもちゃんと包装していただきましょう。ラッピング代がいくらか取られましたが、予算の範囲内です。
コメにもいろいろあり、北海道産のゆめぴりかという最高に高いコメから、よくわからないブレンド米という安いコメまで多数ありました。まあ、妥当に岩手県産ひとめぼれを買っておきましょう。無洗米で。
6.ご祝儀袋を買いなおす
そうです。目録と書いたご祝儀袋、あれは結婚祝いなどの一度きりの慶事に使われるものでした。後から合流した副部長に指摘されるまで気がつかなかったのです。非常識マン二人。蝶結びのご祝儀袋が正解のようです。
ということで急きょ副部長にご祝儀袋を書いていただきましょう。
7.目録を渡す
準備がそろったということで、目録を渡しに行きます。炊飯器を渡す部員には、「学祭で出展するからあげの試食会の試食会をやるから場所を開けておけ。誕生日?ああ、おめでとう」くらいに伝えておきます。
彼の「えっ、俺、今日帰省から戻るんだけど……」という声は黙殺しておきましょう。
8.炊飯器とコメを渡す
目録を渡した後は、すぐに炊飯器とコメを取りに行き、その場で渡します。「その場で渡すなら目録はいらないのでは」という世間的常識はこの際なかったことにしましょう。盛り上がればそれでいいのです。
突然のプレゼントに戸惑いを隠せないご様子
「生活がだいぶ楽になる……」という感想をいただきました。
9.コメを炊く
学祭で出店するからあげを作りつつ、コメが炊けるのを待ちましょう。自画自賛ですが、相当おいしいからあげが仕上がっています。
炊きあがりました。ごはんをよそう容器を買い忘れていたため、紙コップにごはんをよそい味わいます。僕らが食べるごはんは「北海道産ゆめぴりか」
6合入りなら安く買えたので、ゆめぴりかを味わいます。冷めてもおいしい低アミロース米と授業で習った記憶が。
11.炊飯器ケーキをつくる
さっそく本来の用途以外で使われています。炊飯器。
なかなかケーキを作るまで時間がかかり、計3回ほど炊飯ボタンを押しました。さすがにホットケーキミックスの量が多かったようです。
あ、先輩、まだ帰りませんよね?日付変わってしまいましたけど。
焼きあがったケーキにホイップクリームをトッピングしていただきます。
深夜1時に食べるケーキはおいしいなあ。
あまりの硬さに箸が折れました。
12.先輩を送り返す
他大学から来てくださった先輩は翌日バイトとのこと。あれ、今深夜2時ですよ?
公共交通機関はすでになくなっているので、広報担当が借りていたレンタカーで送ることに。ちなみに広報担当は翌日東京へ行きMADOGATARI展を見に行ったのでした。
まとめ
炊飯器は悪くないプレゼントだったようです。
今回、プレゼントに出資していただいたみなさまには深く御礼申し上げます。
広報担当;サトウ